旧いバイクと戯れる

レストア&メンテナンス

1966年式 富士重工 ラビットS211A

[8] 2005/11/03  FRPに挑戦 その1

 エンジンバラしてる最中なのに余計な物に手を出して・・・といわれてしまいそうですが、ここでFRPに手を出したのには訳があります。211をバラして組み上げたことのある方ならお分かりかと思いますが、足の間にある樹脂製のダクトを完全な車体の状態から交換しようとすると、どうしてもエンジン・センターカバーの取り外しを余儀なくされます。そういう構造なのです。今回ちょうどエンジンが降りているので、エンジンを組み上げて載っける前にダクトを作ってしまおうという考えです。最初からダクトのような大物を作るのは何かと不安なので、まずは小物から挑戦しました。

 今回複製するのはタンク両肺の間に装着されるフューエルタンクカバーです。写真は作られてから40年近く頑張ってきた純正物です。遠目で見ると何とも無さそうな感じですが、横方向に数え切れないほどのヒビがあり、このまま使おうという気にはなれません。塗装してもおそらく数年後このヒビが悪さします。

 ヒビが見えますか?ちょっと曲げたりしたら簡単に壊れてしまいそうです。
 ではでは作業にうつりましょう。今回の製作法では元になる品物の表面が新しい複製品の表面にそっくりコピーされてしまうので、表面を出来る限り平滑に整えます。最後はサフェーサをスプレーガンで塗布。これで表面上は綺麗になりました。このまま使いたくもなってしまいます(笑)
 表面が平滑になったら、アルミのテープで品物の周囲にフランジを作ります。製品に対して直角になるように貼るようにすると、複製品のトリミングがかなり楽になります。

 基材を貼る前に、離型処理を行います。今回はワックスとPVAを使用しましたが、PVAだけでも上手くいきそうな気がします。このPVA、塗って乾かすと品物の上に薄い膜が出来ます。で、塗っていくわけですが、左の写真は塗りすぎです!! 
 右の写真のような塗り方で十分です。ハケ目が残らないように塗ります。乾いた後にさわってみて凸凹していたら、その凸凹までしっかりコピーされてしまいます。失敗したなーと思ったら、水で洗い流せば全て無かったことになります。

 離型処理が終了したらゲルコートをハケで塗布します。今回使用したゲルコートは三液型ですから、ナフテン酸コバルトをゲルコートの0.5%、硬化剤MEKPOをゲルコートの1%添加して使用します。
 ナフテン酸コバルトとMEKPOは混ぜ合わせるととんでもないことになるそうです。ピペットも別々にするなど、かなり気を遣いました。
 ゲルコートはスプレーガンで塗布することも出来ますが、粘度が半端じゃなかったので高粘度塗料の吹きつけに対応したスプレーガンが必要です。口径0.9mmの私のスプレーガンでは無理でした。
 使い終わった道具はすぐに洗浄しましょう。樹脂などに使った場合、固まりはじめるともうオシマイです。
 ナフテン酸コバルトはシリコンオフで、MEKPO・樹脂はアセトンで洗浄しましょう。逆にするとゲル化してしまって洗浄が困難になります。

3時間後、二度目のゲルコート塗布です。特に書くことはありません。一度目と一緒です。

 ゲルコートが硬化したのを確認したら、やっと樹脂の登場です。今回使用するのは型用のハイグレードノンパラ樹脂です。硬貨時の発熱や変形が少なく、先に塗ったゲルコートにも優しい樹脂です。

 今回の基材構成は、
ゲルコート > ゲルコート > ガラスクロス > ガラスクロス > ガラスマット#450 > ガラスマット#450 > ガラスマット#450
です。型なので頑丈にしておきます。

 ガラスクロスの大きさを調整して・・・
 上から樹脂を塗っていきます。ガラスクロスは薄いので反発などもなく、スムーズになじんでいきます。樹脂はハケ塗りで十分です。

 一層目が硬化してから、二層目のガラスクロスも貼りました。

 ガラスクロスが二層とも硬化したら、ガラスマットを貼ります。ガラスマットはかなりの反発野郎ですので、上手いことなじんでくれなさそうなR部や角にローピングを施します。

 マットも一層一層硬化させながら合計三層重ねます。

 最終層のマットを張る際の樹脂は、パラフィン溶液を5%添加してインパラ仕様にします。こうすることで硬化後はカチカチに固まります。逆に今まで使用してきたノンパラ樹脂は硬化しても若干べたつきます。(そのおかげで次の層を積層出来るわけです) 

最後のマットを張り終えたら、変形防止に木材を置いてガラスマットの端材で巻き込みます。

 

 一晩おいたらいよいよ脱型!!ドキドキです。

 元の品物と基材の間にヘラを差し込んで隙間を広げていきます。ホームセンターで売っているパテについているヘラがちょうどイイです。

 離型したら、表面にPVAの膜が残っているはずですから水で洗い流します。

 ちなみに写真のメス型表面が白く曇っているのは、ペーパーで均したためです。最初にサフまで塗って平滑にしたつもりでしたが、ヒビが僅かにコピーされてしまいました。ですがペーパー掛けでカンペキに修正できます。
 型のフチにアルミテープをまいて・・・

 次は何をするかお分かりですね!この型を使用して複製品を作ります。


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