恐怖の8番 実力当選


    一堂にそろったファン投票選出選手8人(けがで治療中の浜中を除く)。
    写真撮影の様子が、セ・リーグで敵なしの独走を続けるチーム状態を雄弁に物語った。
    9人選出という史上初の快挙。選手らもうれしいようで、笑顔が絶えない。
    史上最多得票の今岡は「信じられない。チームのみんなとファンに感謝の気持ちでいっぱい」と話した。

    初選出の藤本は、「まさか僕が選ばれるとは…。はっきりいって夢のよう。(オールスターは)テレビでみるものだったので、
    出ていいのかなという気持ち」と控えめに話しながらも、うれしそうに笑った。

    藤本の喜びは格別だろう。
    昨年、開幕の先発メンバーを勝ち得たが、打撃面の力不足で、正遊撃手に定着することはできなかった。
    それでも、前半戦にチームが快進撃したこともあり、ファン投票が集まった。

    そんな状況をみて、星野監督は苦言を呈した。
    「藤本への投票をやめるようにしてくれ。恥ずかしい。オールスターの意味がなくなる」。
    結果は3位で、星野監督の愛のムチが効いた形となった。

    それが、今年は開幕から打撃好調で、一時は首位打者に立った。
    左ひざを痛めて戦列を離れたこともあるが、復帰後も打率3割を維持。
    好調阪神を支える「恐怖の8番打者」に成長し、堂々の“当選”だ。

    「去年はあのような形だったが、今年はこれからも出て恥ずかしくない成績をキープしたい」と藤本。
    周囲も納得する成績での選出だけに表情は晴れやかだった。

    この日、同じく初選出の赤星が「(オールスターでは)めったに打てない本塁打を打ちたい」と意気込みをみせた。
    それを聞いた藤本は「今シーズンは赤星さんと僕だけ本塁打を打っていない。赤星さんより先に打ちたい」。
    藤本は球宴を楽しみにてしている。




     産経新聞スポーツ欄7月4日付