阪神サヨナラ!藤本が決めた! 日本シリーズ第3戦


    ◆ 吉野…3回1安打無失点! ◆

    <阪神2−1ダイエー>
    甲子園の大歓声に星野監督の“言霊”。
    藤本にとってこれ以上の“援軍”はなかった。
    延長十回一死一、三塁の場面、目の前で矢野が敬遠されているときだった。
    星野監督に呼び寄せられ、恐れ多くも左手で左の肩をもまれた。
    藤本はもうヒーローになったときの、自分を想像するだけでよかった。

    ベースは総て走者で埋まった。
    そして初球…。
    振り抜いたバットから弾き出されたボールはセンターへグングン延びた。
    完ぺきにとらえたサヨナラ犠飛。
    このシリーズ、初戦からノビノビ自分のバッティングが出来ていた藤本が、ようやくホンモノの笑顔を見せた。

    「結婚したばかりだから、ヨメさんにエエ格好して来い!それだけですわ」。
    勝利監督インタビューでアドバイスについて質問された星野監督は、そう言って高らかに笑った。
    藤本も「あのまま打てなかったら家に入れてもらえないと思ったので」とスタンドを笑わせた。
    連敗スタートした今シリーズ。
    この一振りで、一気に風向きが変わりそうな予感が漂ってきた。

    立ち上がり3連打を浴び、1点を失ったムーアだが、その後はゼロ行進を続けた。
    八回からマウンドを譲り受けた吉野は、3イニングを1安打に抑える完ぺきなピッチング。
    プロ野球人生で1勝しか挙げていない男が、こんなデッカイ1勝をマークした。
    星野監督もその投球内容とマウンド度胸に「何よりも吉野が素晴らしい!」とお立ち台で絶叫した。

    この大観衆も、夜空も、少し肌寒い風も、総てが阪神の味方になる。
    まだひとつの負け越しはあるがこのままあと2試合いけば、逆転王手だって大いにありえそうだ。


    ▼星野監督
    (シリーズ初勝利に)長かったな、という感じですね。
    甲子園のみなさんの前で3連敗はできんでしょう。
    (大きな声援は)エネルギーどころではない。
    みなさんの力がなかったら、トレイ(ムーア)も吉野も藤本も(活躍は)なかったでしょう。





    スポニチOSAKA10月22日付