【和田チェック】藤本の課題は守備力の強化


    つなぎ打線の役者たちを分析する連載「阪神コーチ・和田豊 V2への宿題」。
    第9回は、急成長した藤本敦士内野手(26)を取り上げる。
    127試合に出場し、プロ初の3割越えとなる打率.301。遊撃レギュラー奪取の根性を、来年へつなげられるか。

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    この男がいなければ、つなぎ打線はなかった。
    8番で打率.301。これが、最後まで気が抜けない打線の象徴。
    藤本は3年目でどこが成長したのか。
    和田コーチは、今季140試合目だった10月10日の広島戦で、そのすべてを見て取った。

    「アイツが変わったから、こんな成績を残せたんだ。打率3割が懸かった最終戦で、ちゃんと打てるなんてね。
    持って生まれたものと、精神的に強くなったと思う」

    打率.298で最終戦に突入。
    3割ラインを超えるには、最低4打数2安打が必要だった。
    1打席目は空振り三振。だが、その後に奇跡が起きた。第2、3打席ともに流し打ちで左前打。
    崖っぷちからの大逆転は、簡単にくじけない精神面の成長を物語っていた。

    3割への挑戦は、打法改造の成果でもある。
    早出特打から徹底して取り組んだ新打法。
    左足だけで立ち、約3秒ほど体重をためてから、トスされた球を打つ。
    変則ティー打撃は、小柄な体をカバーする秘策だった。

    「短く持ってコンパクトに振る分、体重を乗せて強い打球を打たないといけない。打球の質が変わったね」

    雰囲気も変わった。
    昨年は和田コーチの近くで逃げていた視線が、今年は真っ向ピタリ。
    「バットを短く持て」と言い聞かせても聞かなかった男が、キャンプ初日からグリップを短く持った。

    明らかな意識の違い。
    4月終了時点で打率.378のリーグ首位打者。周囲を驚かせるほど、バットは快音を残した。
    今年9月に裕貴夫人と結婚。
    今春から決めていた人生の節目が、無限の力を生んでくれた。

    「内面的に期するものがあっただろうね。だから、来年が大切。今は3、4年徹底してやらないといけない時期。
    自覚を持ってやってほしい」

    来季はアマno.1遊撃手の早大・鳥谷が加入。内野の競争は一層厳しくなる。
    それでもレギュラーを守り抜いてほしい。
    和田コーチは、まな弟子へのエールとして『守備力強化』を課題に挙げた。

    「バットの不調で代えられないような選手になってほしい」

    センターラインは守備力が必要。
    来季は140試合出場を…。
    自らの変革を感じた03年の記憶。
    背番号9が、それを心の中でどう熟成していくかに注目している。




     サンスポ.com11月6日付