藤本がタイムリーも傷口広げる守りのミスにガックリ


    “たられば”は、野球に禁物。だがこの日だけは、阪神の五回の7失点を恨みたい。
    優勝を決めるために乗り込んだ神宮。
    口火を切った桧山に続いたのが、下位打線を締める藤本だった。

    「何とか打ちたかった。積極的に行こうと思っていました。センター方向に打ち返そうという気持ちを忘れずに振り抜きました」

    四回無死。前打席でアーチを放った桧山が、背中にボールを受けた。
    矢野が中前打でつないだチャンス。高井の外角直球を、力負けせず打ち返した。
    ライナーで、遊撃の頭の上を越える中前タイムリー。リードを3点に広げ、伊良部を援護した。
    ヒーローの座は逃したが、二回の左前打と合わせて2試合連続の2安打。
    今季の安打数は97に達し、自身初の100安打は目前だ。

    「でも(2安打を打った)その後がダメでしょ。勝ちにつながらなかったんで…」

    首脳陣から課題といわれる守備で、痛恨のミス。思い返しながら唇を噛みしめた。
    五回裏、二死一塁。ヤクルト・古田が、1−3からファウル。
    三塁ベース後方に上がった飛球をアリアスが追い、最後は自分が声を出した。
    だが風に流されたのか、打球はバンザイした藤本の後方へ。
    人工芝に落ちた瞬間、スタンドからため息が漏れた。
    落球ではない。だが、捕球していればチェンジだった。
    古田に四球を与え、伊良部が降板。代わった金沢が2点タイムリー二塁打を浴びただけに、悔やみきれなかった。

    「またあしたです」

    帰りのバスに乗る直前、短いコメントにリベンジの思いを込めた。
    年俸わずか1300万円のレギュラー遊撃手。定位置をつかんだ根性で、次こそヒーローの座を奪い取る。





    サンスポ.com9月10日付