藤本お見事2安打、虎遊撃手争いはV戦士が“奪回”
落合竜に3タテを食らわせての「六甲おろし」は唄えずとも…。
3日連続で甲子園球場を埋めた5万3000虎党は、V戦士の正遊撃手“奪回”には納得だ。
苦手とする川上にゲームを支配され、2点に抑え込まれた打線の中で、藤本だけが2安打。
二回、二死一塁からはコースに逆らわず三遊間を破り、七回も一死から右前に落とした。
左打者が川上のカットボールに面食らう中、天敵に牙を剥いた。
「1本目のヒットは振り遅れですよ。2本目はきっちり狙った球を仕留められました。
自分の中ではだいぶ、感じがつかめてきましたよ。これからのステップアップになると思う」
8日の横浜戦からスタメンの座を奪い返して、これで4試合目。
再三の好守でリズムをつかみ、今季初となるマルチ安打で、ライバルにグッと差をつけた。
「先発はいろいろ確かめられることができますから、守備の不安感もなくなってきました。スタートから出られるのはありがたいことです」。
キャンプ以後の遊撃争いに加え、今岡の左手故障後は代役二塁に回るなど、重ねた苦労が実った格好だ。
2−4で敗れた試合後。鳥谷は新室内に直行した。
金森打撃コーチとマンツーマンでティー打撃。約1時間の居残り特打で、現状打開に汗を流した。
「状況? 試合に出ていないので、よくわかりません。出場したい気持ち? それはみんなあると思います」
試合前も室内で特打ち。一軍に帯同しながら、実情はミニキャンプの状態。
開幕戦で遊撃スタメンに名を連ねた大物ルーキーの立場は、開幕3カードを終えて危うくなった。
盛り返したライバルの打棒が、存在価値を薄れさせてしまった。
「内容が悪過ぎる。肉体的にも精神的に参っている」。
このように分析する岡田監督は試合後、鳴尾浜での近鉄戦を終えた木戸二軍監督と協議。
だが、「一、二軍の入れ替えはしない」ことを確認。
鳥谷に二軍で実戦経験を積ませる選択肢は、見送られた。
「(鳥谷の打撃は)よくなっている。(試合中も)一応、いろんな局面で準備はさせている。(ベンチ)裏でバットを振らしています」。
金森打撃コーチは当面、代打起用からの現状打破の道を模索したが…。
試合に出られないこのままでは、金の卵は宙ぶらりん状態。
藤本が本領を発揮する一方で、鳥谷育成というもうひとつの岡田構想は揺らぎ始めた。
サンスポ.com4月12日付