2番・遊撃でスタメン出場、きっちり2安打−藤本、貫禄だ


    目の前で打席に立つ“ライバル”の姿に、燃えないわけがない。
    藤本が2番・遊撃でスタメン出場し、きっちり2安打。
    1番・DHで1安打ながら3三振だった鳥谷に、貫禄の大暴れを見せつけた。

    「今は変化球にうまく対応できていますね」

    泥まみれのユニホーム姿で満面の笑み。
    その表情が、ここまでの充実度を何よりも雄弁に物語っている。

    一回、鳥谷が右中間を深々と破る二塁打を放つと、すかさず左前打で続いた。
    これがOP戦6試合目にして初めて右投手(堤内)から放った安打。
    そして二回にライバルが見逃し三振に倒れると、ここぞとばかりに中前打。
    鳥谷1安打、藤本2安打。軍配は背番号「9」に上がった。

    「集中力、必死さ、自信に余裕。今の時点では藤本の方がすべて上」

    ハイレベルな2人の競争を見つめているライバル、巨人の樋沢スコアラーは、黄金ルーキーよりも藤本の実力を脅威と捉えている。
    それはこの日、球場に駆けつけた他の4球団の007も同じ意見。
    ここまで6試合で14打数8安打の打率.571。
    インパクトでまさる鳥谷をファンが支持しても、“玄人”の目はシュアな打撃で粘り強い藤本をより警戒している。

    「ベストメンバーを組むのは連戦(25日の横浜戦)ぐらいから」と岡田監督。
    世間とファンを巻き込んでの空前の遊撃争いは、いよいよ佳境に入る。
    気が付けば最終決断は、あとわずか。25日の横浜戦(平塚)までOP戦は残り9試合だ。

    「悔いが残らないようにプレーする」。
    今、出来ることは高校時代からの好きな言葉の通り、『精一杯』。
    藤本は必死さを前面に押し出して、多くの人の心を捉えていくつもりだ。

    「とことん打つしかないです」。
    昨年、3割を打ちレギュラーを張った自負が支え。
    プライドを賭けてこれからもボールだけを叩き、ボールだけを追いかける。




     サンスポ.com3月10日付